工房閑話
ノーベル平和賞
今年の平和賞、受賞には至らなかったものの、熱心な自薦でトランプ大統領が注目を浴びた。平和賞は、他の賞と異なり客観的な選定基準を設定しにくいことが原因のようだが、選定の妥当性に関する異論が跡を絶たない。近いところでは2009年のオバマ大統領、少し古くなるが1974年の佐藤首相が思い浮かぶ。
初めての高市・トランプ会談は、トランプ大統領×高市首相の相乗効果で、
大々的にメディアに取り挙げられ、昨今の熊騒動をも凌ぐ加熱ぶりだった。日米会談は成功裏に終了というのが大方の見方のようだが、問題が片付いたわけではない。大統領の最優先事項は政権支持に直結する中国であり、日本は先送りなのだろう。
会談終了後両首脳は、第七艦隊の原子力空母ジョージ・ワシントン上で、在日米軍兵士と自衛隊員を激励。さらに大統領は、「核兵器実験」の再開を国防総省に指示したことを表明。習主席との交渉に揺さぶりをかけ、世界を驚かせているが、かろうじて保っている核抑止の命脈も絶たれかねない。
これに先立ち首相は、大統領をノーベル平和賞に推薦すると述べている。唯一の被爆国の推薦である。これまでの推薦とは同一には語れない。昨年平和賞に選ばれた被団協への冒涜にも見えるが、云うところの「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」への華々しい第一歩となった。
2025年10月31日
