工房閑話
日本の保守
さすがに飛行機は早い。伊丹空港を発って生駒山を越え、伊勢湾に出るとほどなく富士山が見えてくる。そしてアッという間に懐かしい三浦半島が視界に入り、「もう羽田か」とほっとする。しかし、これからが実に長い。とりわけ房総半島から、はとバスよろしく都心を周遊するコースを取った場合は、三浦半島など中間点に過ぎない。米軍が管理する「横田空域」の為せる業だが、およそ80年に渡り累積された負の効果は計り知れない。
しかし、地位協定の理不尽と背中合わせで暮らしている沖縄に比べれば、この遠回りもどうと言うことは無い。我が国に於いて米軍関係者は、日本の法律の適用の外にある。米軍基地が集中する沖縄は、その弊害を一手に引き受けて久しい。この状態は第二次大戦後から、改善されることなく継続しているのだが、同じ敗戦国でありながらドイツ、イタリアに於いては米軍関係者に対しても、それぞれの内国法が適用されている。我が国に於けるこの問題に対する不作為はどうした事だろう。
政府高官から飛び出した「核兵器を保有すべき」発言に象徴されるように、高市政権下で右傾化が急速に進んでいる。一連の勇ましい発言が飛び交う一方、独立国とは言い難いこの長年の課題は放置され続け、改善の兆しは、一向に見えてこない。統一教会問題も同じ文脈で読み解けると感じているが、これを許す日本の保守はどうにも胡散臭い。
さらに、同盟国にも高関税、軍事費増額を強要する極端な自国第一主義を露骨に進める米国に、翻弄されながらも徹底して寄り添う構えである。その米国に忖度した総理の台湾有事発言は、日中関係に深刻な打撃をもたらしたが、肝心のトランプ氏は習さんと握手する構えである。この涙ぐましいまでのボタンの掛け違いは、もはや滑稽にさえ映ってしまう。もう一つの下駄の雪である。
2026年2月28日
