工房閑話

 

 

国務省のシステム障害に思う

   

 米国国務省領事局のシステム障害でビザ審査業務が停止し、現行のDS160導入時と同様、あるいはそれ以上の深刻な影響が出ている。DS160には随分と悩まされたものの、通勤電車の如く、進むにつれて徐々に落ち着いていったのだが・・・。

 時を同じくして年金機構のシステム障害が発生した。サイバー攻撃により125万件の個人情報が漏えいし、大きな社会問題となっている。障害が発覚した後もネット回線を接続していたり、パスワード設定という初歩的なルールでさえ、違反が常態化していたという驚くべき事実が明らかになったが、日本人はこの種のことが不得手である。マニュアルは作るが、「臨機応変を良し」とする気風があり執行管理が甘い、あるいはできない。IT技術に於いては、とても世界と勝負できそうにない。

 

 ビザ面接に於いてこの日本的思考は要注意である。就労ビザの代表とも云うべきEビザの面接に於いて、職責の説明は最重要事項である。かつて、領事の質問に対して「着任後社長に聞く」と答えて214bをもらった豪傑の話は有名であるが、具体的かつデジタルに整理しておく必要がある。例えば、営業部長であれば、職責は「営業の責任者」。具体的な職務は「マーケットリサーチ、販売、数値管理、顧客管理、社員教育、勤務評価・・・・・・・に責任を持つ」となる。

   

 さて、国務省のシステムトラブル、臨機応変に閣議決定による超法規的判断で、ビザを発給してもらえると大変有難いのだが、そこは遵法精神旺盛な国柄につき、1日も早い復旧を願うばかりである。

        

           visa

 

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