アメリカビザ解説


サイパンのビザ(CW-1)について 

 

 サイパンに代表される北マリアナ諸島は、独自の「外国人労働許可」システムを持っていましたが、去る2008年の法改正により、「米国の移民法」がほぼそのまま適用されることになりました。つまり、外国人労働者がサイパンで働くためにはアメリカのビザが必要になったのです。

 

 

 但し、いきなりこの地に、世界でも類をみないアメリカの厳しい移民法を導入すると、北マリアナの労働許可で就労していた人の大半が、滞在資格を喪失し、経済活動に深刻な打撃を与えることになります。対策として2009年11月から移行のための(準備)期間が設定されています。その代表的な施策がCW-1ビザです。正確は

CNMI-Only Transitional Worker(北マリアナ諸島限定移行期労働者)と呼ばれ、北マリアナの労働許可を取れる人なら、まず取得は問題ないと云う大変寛容なビザです。

 

 

 ただ課題もあります。まず、この移行期間は2014年12月31日に終了することになっています。「この期間中に、然るべきアメリカのビザを取得しなさい。」と云うのが基本的な考え方だからです。論理的には分かり易い対策ですが、残念ながらこの期間内に、他のアメリカビザを取得できる見通しがついている人は、少ないようです。幸い、労働長官の裁量で延長措置が取れるとされているので、最悪の事態は避けられる見込みです。とは云え、社会・経済的な構造が大きく異なるサイパンへの「米国移民法導入」です。完遂に向けての道のりは険しそうです。

 

 

 

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