アメリカビザ解説


サイパンに於けるEビザ事情と、そこに学ぶEビザの要件

 

●サイパンに於けるEビザ事情
 サイパンで働く外国人及び経営者が、米国移民法に基づく滞在資格獲得という、頭の痛い課題に取り組むことを余儀なくされており、その救済のためにCWビザという時限措置が講じられているという事については、前号で取り上げたとおりです。
 では、この時限措置が打ち切られた場合の代案は何でしょうか?
 私は、「特殊なケースを除いて、Eビザしかない。」と考えています。特殊なケースとは、移民ビザが取れる場合、また他の就労ビザ(LビザH1Bビザ等)が取れる場合です。但し、サイパンの経済構造を見ると、これはかなり例外的だと思われます。ある意味EはLやH1Bよりハードルが高いのですが、遅かれ早かれサイパンの雇用者は、このEビザに取組むことになるでしょう。

 

 では、Eビザが取れるのか? 私の経験では、かなり小規模な事業(E2のみならず、E1も含めて)であっても取れているケースが少なくありません。ただ、通常5年間有効な許可が出されるのですが、1~3年のビザが出ているケースが目につきます。事業規模の小さい企業が多いと云う、地域特性から来る結果と思われます。これは「Eビザのスタンダードに完全に達しているとは言い切れない」ので暫く様子を見ようとする「暫定許可」と捉えることができます。厳しいようですが、逆に「暫定許可」により救済されていると取ることもできます。

 

 期限満了に伴う更新手続きに向けての対策とは何でしょうか。
 それはEビザカンパニーとして健全な経営を行い、相応の業績を残す事と、それを証明する証拠を提示することです。具体的には、黒字経営・雇用に代表される経済的貢献を達成し、監査済み決算書、納税申告書等を準備しておくことが基本になります。折角獲得した暫定許可を生すためにも、更新を意識した業務展開が重要になってきます。

 


●そこに学ぶEビザの要件
 アメリカで大規模なビジネスを展開する場合、例えば数十ミリオンをかけて工場を作り製造業を行うとしたら、事務処理的な手続きでEビザが取得できます。その後仮に、赤字経営が続いてもそのビジネスを継続している限り、更新もさほど難しくないでしょう。
 一方、小規模な企業に於いては、「健全な経営を行っている、或は行えることを如何に証明するか」という命題を追求しなければなりません。サイパンに於けるEビザ申請事情が、Eビザのこの普遍的な命題の意味をあらためて教えてくれています。
参考:9FAM41.51N11

 

 

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