工房閑話

 

 

 

2023年

 

 

 コロナの5類への移行後、初めての師走を迎え街は大いに賑わっている。しかし、2023年も安らかな年とは言い難かった。

 

 パレスチナで勃発した戦争に於いて、イスラエルは、逃げ場を失った無防備な市民を無差別に殺戮している。21世紀のジェノサイドの様相を帯びてきている。我が国も閣議決定により、殺傷能力を持つ武器輸出が解禁されることになったが、早速米国にパトリオットミサイルを提供するらしい。米国はイスラエルに軍事支援も実行しており、なんの事はない、これではこのジェノサイドに加担することになってしまう。

 

 また、来年度の国家予算全体に占める借金返済額が、遂に25%に及ぼうとしている。遠からず、予算が組めない事態に陥るだろう。数年前まで居た自民党の財政健全化派は、すっかり姿を消してしまった。さらに政権党の幹部を巻き込む裏金疑惑が報道されるに至り、リクルート事件以来のスキャンダルとも評されているが、長年にわたって組織的に行われており、また自浄作用が全く働かない点をみても異次元の不祥事である。昨今は、長らく越えてはならないとされてきた一線が、いとも容易く越えらている。

 

 足元に目をやると10月には、米国のビザ申請手続きに必要な申請者アカウント管理システムが変更になった。これが実にユーザーに優しくない。時間、労力のみならず、相当な忍耐力を要求される。行政の無駄なペーパーワークを極力削減する「Paperwork Reduction Act」という法律のある国がどうして?
残念ながらビザを申請するのは外国人であり、この恩恵の対象はアメリカ国民と銘記されている。であれば生煮えのまま導入し、使いながら不具合を修正していくシステム開発法は秀逸と云える。しかし、新システムの洗礼を受けた身にとっては、いい面の皮である。まるで政治家のパーティーのようなものだ。ご馳走に辿り着く前にくたびれ果ててしまう。

 

 

 

                            2023年12月25日

 

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